筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会では、年に二回、会員を対象にした学術集会を開催しております。この度、2015年度の第1回目として第15回 学術集会を以下の通りに行うことを決定いたしました。
今回の学術集会のテーマは「MPSに対する罹患筋診断と治療~超音波、鍼、理学療法の融合~」です。
過去2回の集会では動作分析による罹患筋診断がテーマになっており、今回はそれをさらに発展させ、日常診療に必ず役立つものと思っています。
そこで今回は軟部組織への評価や治療の最先端をいかれる2名の理学療法士を外部講師として招致し、これまで以上にMPSの学際的な発展を意識した学術集会になると確信しています。
まずエコー勉強会では銭田良博先生(理学療法士、鍼灸師)、そして基調講演には工藤慎太郎先生(理学療法士:運動療法のなぜがわかる超音波解剖の著者)をお招きいたします。
原則として参加資格は当会会員となっておりますが、非会員の方の参加も歓迎しております。
会員になられて参加をご希望される方は当会への入会後(入会申し込み)に、参加申し込みをお願いいたします。
また、入会をせずに参加を申し込まれる方は、「第15回 学術集会 申し込みフォーム [非会員用]」から申し込みをお願いいたします。
筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会 第15回 学術集会 | |
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日時(予定) | 2015年6月27日 土曜日 16時50分~20時50分 2015年6月28日 日曜日 9時~11時15分 |
会場 | TKP神田ビジネスセンター 4F 住所:〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町3-2 神田アベビル 都営新宿線 「小川町」駅、東京メトロ丸ノ内線 「淡路町」駅 東京メトロ千代田線 「新御茶ノ水」駅 B6出口徒歩3分 JR山手線「神田」駅、東京メトロ銀座線「神田」駅 徒歩6分 都営三田線、東京メトロ千代田線、丸ノ内線、東西線、半蔵門線 「大手町」駅 C1出口徒歩7分 |
メインテーマ | 「MPSに対する罹患筋診断と治療~超音波、鍼、理学療法の融合~」 |
特別講演 (下記参照) |
銭田良博先生 (理学療法士、鍼灸師、株式会社ゼニタ代表取締役、トライデントスポーツ医療看護専門学校理学療法学科) 工藤慎太郎先生 (理学療法士、森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科 森ノ宮医療大学卒後教育センター) |
プログラム | |
■6月27日 土曜日 16:50 開会 |
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17:00~18:50 エコー勉強会 |
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19:10~20:50 基調講演(講義と実技) |
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21:00~ 懇親会 |
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■6月28日 日曜日 09:00~11:15 会員プレゼンテーション
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会費(会員) | 1,000円 |
※都合により予告無く変更する場合があります。予めご了承願います。
テーマ:膝関節の超音波エコー実技と臨床的触診の重要性
演者の考える、有痛性疾患に対する保存療法の戦略ポイントは、まず最初に臨床的触診により関節周囲の軟部組織の圧痛点を把握し、さまざまな評価を組み立てることである。
具体的には、痛みの原因となっている皮膚、筋膜(浅筋膜・深筋膜)、筋線維、筋腱移行部、腱、腱膜、脂肪などの軟部組織を、それぞれの組織が存在する深さによりミリレベルで明確にする。
それと同時に、超音波エコーによる画像所見や整形外科テストおよび理学療法評価を行なう。
これらの評価内容を分析した後に、西洋および東洋医学のどちらの観点でも良いので治療プログラムを検討することが必要であると、私は考えている。
今回のセミナーでは、膝関節の超音波エコー実技と臨床的触診技術を中心に行なう。
実技では特に、膝蓋下脂肪体、鵞足、内側半月と内側側副靭帯を中心に行なう。
講演の最後に、最近の筋膜の定義に関する概念とトリガーポイントおよび経絡との関連についてもお話したいと考えている。
(講演内容)
タイトル: 超音波エコーによる軟部組織の動態評価と運動療法
運動器エコーを理学療法士がやる意味はどこにあるのか? 機能を取り扱うセラピストだからこその視点で運動療法にどうエコーを生かすのか?エコーでは筋の形態としての厚みや筋の長さ、血流、弾性と様々な物が計測できる。
整形外科医は、これらを見ることで、安全かつ確実な穿刺や組織損傷の有無を診断できる。しかし、運動機能を扱う理学療法士としては、非侵襲的に形態学的変化や血流の有無の変化を評価できるのは魅力であるが、どこか物足りない感じがする。この高価なdeviceは、これまで計測してきた機能を計測できるだけであろうか? エコーじゃなきゃ見えないものがあるのではないか?これが私がエコーの研究を始めた時の視点であった。
そして、私たちは、運動時の筋肉の動きに注目した。それは摩擦係数の低い関節面の動きを絶妙にコントロールし、見事に筋のもつ粘弾性を表現しているように見える。さらに運動機能障害を有している例では、筋の動きは明らかに障害されているように見える。
この原因として、われわれは皮下組織と筋膜に注目している。現在われわれは、筋の動態を評価する手法を開発し、筋の動態評価を行い、さらに動態を考慮した運動療法を開発し、その効果を検証している。
われわれの研究結果をもとに運動機能評価における超音波の有効性を示したい。