筋筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会では2010年2月6日土曜日、7日日曜日の両日、東京日本橋にて第5回 学術集会を開催しました。2日目の7日の午前には一般の方々を対象にしたシンポジウムを開催しました。
この日、東京地方は早朝から雲一つ無い晴天に恵まれましたが、気温が0度近くまで落ち込みました。そのような中、日曜日の早朝から多くの来場者にいらしていただき、開始時間の9時前に事前に用意した座席はほとんど埋まって、追加で座席の準備をするまでになりました。
当日の総合司会は浅枝 まり子さんにお願いをさせていただきました。浅枝 まり子さんのおかげでシンポジウムの進行は非常にスムーズに進みました。最初に筋筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会 会長の木村 裕明より開会の挨拶をさせていただき、本日の講演に進行してゆきました。
このシンポジウムではメインプレゼンテーションとして福岡よりトリガーポイント研究所の佐藤 恒士 所長をお招きして「痛みが楽になるトリガーポイント療法」という題目にて講演をいただきました。佐藤所長は現在、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)で発生するトリガーポイントに着目して、整体法治療プログラム「トリガーポイント整体法」などを研究し、現在は主に後進の育成に力を注いでいらっしゃいます。
佐藤所長のプレゼンテーションでは「今まで腰痛の常識と言われてきた内容の検証」、「神経の圧迫により痛みは起きないという生理学理論」など痛みの基本的な説明から入り、途中では心と体の動きが連動をしていることを参加者のみなさんが実感できる実験などを通してなどを通して、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)のメカニズムに迫ってゆくという、非常に興味深い物でした。講演後の質疑応答では時間の関係で希望者の方全員の質問を受けられない程の質問をいただきました。
佐藤所長のプレゼンテーションの後、MPS研究会 会員の医師2名によるプレゼンテーションもさせていただきました。山下クリニック 山下 徳次郎 院長からは「筋筋膜性疼痛症候群と不定愁訴(*) -不定愁訴のトリガーポイント治療-」という題目で筋筋膜性疼痛症候群(MPS)が引き起こす可能性のある不定愁訴の紹介と実際に頭痛、ふらつきなどの不定愁訴に悩まされた患者様を治療をした症例の紹介をさせていただきました。
(*)不定愁訴(ふていしゅうそ):頭痛、不眠、ふらつき、いらいらなどの不調で、原因が見つからない症状。
加茂整形外科医院 加茂 淳院長からは「痛み診療の現状」の題目にて、「実際に他の病院で手術とまで言われて、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)のトリガーポイントブロック注射の治療をして痛みが引いた事例」、日本の医療費及び一人の医師が診察をする外来患者数などのデータを基に日本の医療の現状、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の早期治療の重要性などについてプレゼンテーションをさせていただきました。
最終的に終了時間を10分ほど越えた12時10分、筋筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会 副会長の黒田 知也より閉会の挨拶をさせていただきシンポジウムを無事に終了する事ができました。
今回は約100名にも上る皆様方に参加をいただき、大盛況にてシンポジウムを終えることができました。この場を使い、ご多忙の中、ご聴講、ご参加をしていただいた皆様方、プレゼンテーション発表者の方々、会場の提供、運営にご協力をいただいた田辺三菱製薬様、ビタカイン製薬様を始めとする、全ての関係者の方々に感謝の意を表させていただきます。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会では、今後もこのような筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の理解を深める活動を継続してゆきたいと考えております。
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